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卒業設計
2016年度

■1 軒の住宅が変えていく新興住宅地での暮らし
-「匂い」が繋ぐイキイキとした街-■

設計:鈴木航平

私は新興住宅地に魅力を感じる。昨今、新興住宅地
に対しては魅力よりもマイナスなイメージを持つ人
が多い。私は、生まれてから高校を卒業するまで兵庫
県神戸市の新興住宅地で暮らしていた。しかし、そこ
にいる暮らしの中で魅力は感じていたが、それを明確
に説明できる訳ではなかった。
現在、大学に通うため郷里の新興住宅地を離れて高
知県で暮らす中で、集落に赴く機会が増え、その場所
特有の人々の暮らしや季節、時間、天候、自然が醸し
出す「匂い」とでも言える感覚の魅力に気付いた。
そして、神戸市に帰省した際、新興住宅地には高知
県とは違う新興住宅地特有の「匂い」が存在し、非常
に魅力的であると感じた。そしてそれは、暮らしてい
る時に漠然と感じていた魅力の正体であると気付い
た。
こうした経験から、新興住宅地特有の「匂い」の魅
力は、そこにいる暮らしの中では感じ難いのではない
かと考えた。

本設計では、1軒の住宅が建て替わることで、その住
宅の住人だけではなく、周囲の住宅の住人にも影響を与
え新興住宅地特有の「匂い」の魅力に気付き、その魅力
を強化出来る戸建て住宅の提案を目的とする。