■雨と生きるPassive House 〜“高知の雨”を感じる暮らしの提案〜■
設計:大野慎
私は“雨”が好きだ。雨の匂い、地面を叩く心地よい雨音、流れていく様子、水たまりから覗く空,雨が降ることで生み出されるいつもと違ったまちの風景。様々な雨の姿に心を動かされる。
ここ高知県は全国でも有数の多雨地域である。「高知の雨はバケツをひっくり返したような雨」などと言われるように高知では非常に激しく雨が降る。高知で生まれ育った私は、そんな“高知の雨”を日々感じて生きてきた。どこか非日常を思わせるほどの豪雨。それを屋内から感じる何とも言えない心地よさ。この“高知の雨”こそ、私が雨を好きになる大きな要因の一つであった。
太陽や風などの自然エネルギーを受動的に建築に取り入れ、より良い住宅を目指すPassive House。一方で同じ自然エネルギーでありながら、そのものの魅力はあるものの建築に取っては悪影響があるために徹底的に建築から排除される雨。雨についても、ただ排除するだけでなく太陽や風と同じように受動的に建築に取り入れ、暮らしながらその魅力を体感し得る方法があるのではないだろうか。
したがって本設計では、“高知の雨”の魅力を最大限感じられる戸建住宅を環境性能の高いPassive Houseとして設計する。さらに、Passive Houseの環境性能を証明する為に環境性能評価を行う。評価の基準としてネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の認定基準を満たすように設計を行う。




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