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卒業設計
2015年度

■集合住宅嫌いのための集合住宅■
設計:南庄真那

 集合住宅での生活に嫌気が差したのは、いつからだろうか。
      
私は生まれた時から高校生までを14階建ての集合住宅の5階に住み、大学生の現在は、3階建ての集合住宅の2階に住んでいる。にも関わらず、私は集合住宅があまり好きになれなかった。

私が集合住宅を好きになれなかった一番の原因として、隣人との距離が近すぎることが挙げられる。廊下やエントランスで隣人とすれ違う時の気まずさ、ベランダに出たときに感じる隣人の気配、大きな物音を立てないように気を使う生活。どこにいても隣人を感じる集合住宅での生活に、窮屈さを感じていた。

一方で、私は戸建住宅に住まうことに強い憧れを抱くようになった。
戸建住宅に憧れている点としては、以下のことが挙げられる。隣人とのほどよい距離感、家を出たら、すぐに地面がある、自分の家の屋根を持っている、ベランダではなく、庭がある、室内に専用階段を持っている。

しかし、各住民が好き勝手にデザインした戸建住宅が統一感なく並ぶ
光景に対しては、賛成し難いとも感じていた。