■アジト~現代の泊屋~■
設計:塩田亘
私は幼いころから、ものづくりが好きで、大学に入ってからも実際に作るプロジェクトに参加し、ものづくりの楽しさ、完成した時の感動を体験してきた。その経験から実際に自らの手で作ることの重要性を知り、将来、住み手が自分の住まい作りに関わる家づくりをしていきたいと考えている。しかし、現況は住居という最も身近で大切な場所を、お膳立てされたカタログから選ぶことが主流となっている。私は、子供の頃、秘密基地を作るときに感じたワクワク感、あの感動は家をつくるときにも必要だと考える。そこで、住み手が自分の住まい作りに関わる家づくりの最初の一歩として、自分で作りあげる自分達の空間−アジト−を建設する。現代住宅には無い、ワクワク、ドキドキする空間を目指す。アジトは、お酒を飲む場、研究室のしきたりを学ぶ場として利用してもらいたい。高知県の若衆宿に泊屋という物がある。泊屋とは、若者たちが寝泊まりしていたところ。若者達が集落の警備、村のしきたりを覚える場所であり、酒を飲み、語る自分達だけの時間を楽しむ場所でもあった。
そこで、本設計は、自力で建設できる『現代の泊屋』を建設する。




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