■ripple out in waves■
設計:岡崎 未来
選定作品:メゾン・カレ/アルヴァ・アアルト
旧街道の川側は狭小な敷地を川側に張り出して懸造にする特色ある住居が見られる。その住居の対面側には木造平入の建物が向き合い、その奥には中庭的畑が静かに広がっている。こんな川辺の街道町風景を原型とする神母の木。しかし、空地が増え始め、国道沿いには、周辺環境を無視した新築の建物が散見され、その魅力は失われつつある。
時代は次から次へと移り変わっていくもの。その中で、生活スタイルが変化し住居も変化していくだろう。敷地は、国道と旧街道に面しており、国道沿いには現在の生活スタイルに合わせた新築の建物、旧街道沿いには過去の生活スタイルに合わせた昔ながらの建物が立ち並ぶ。この状況は、旧街道沿いから国道沿いへと時代の流れを感じ取ることができるのではないだろうか。また、その間に存在する中庭的畑が意味のある空間となっているのではないだろうか。
そんな神母の木にある敷地に、巨匠の特徴を活かして国道沿いから旧街道沿いへと時代の流れを表し、中庭的畑の空間を特別なものとなるように組み換えをする。そうすることで、神母の木の魅力を残しつつ、時代の変化に対応できる住宅となるのではないだろうか。


|